果物ジュースにはさまざまな種類がありますが、血糖値への影響はそれぞれ異なります。本記事では、オレンジジュース・リンゴジュース・ブドウジュース・パイナップルジュースの4種類について、血糖値の変化と糖組成(果糖・ブドウ糖・ショ糖の割合)を比較し、それぞれの特徴をまとめました。
目次
血糖値の比較_1
このグラフでは、各ジュースを200ml飲んだ後の血糖値変化を示しています。結果を見ると、ジュースの種類によって血糖値の上がり方やピークの高さ、下降の仕方に違いがあることが分かります。
- ブドウジュース → 最も急激に上昇し、ピークが最も高い(約180)
- オレンジジュース → 比較的なだらかに上昇し、持続的なエネルギー供給向き(ピーク約160)
- リンゴジュース → 穏やかに上昇し、血糖値の急変動が少ない(ピーク約140)
- パイナップルジュース → 上昇は比較的急だが、下降も急激(ピーク約160)
血糖値の比較_2
このグラフは、各ジュース摂取前の血糖値を0として、その後の変化を示しています。
糖組成の比較
最新の『日本食品標準成分表』(八訂・2023年)によると、100gあたりの果糖・ブドウ糖・ショ糖含有量および総糖量は以下の通りです。
各ジュース100g中の糖類含有量(果糖・ブドウ糖・ショ糖・総糖)
ジュース | 果糖 (g) | ブドウ糖 (g) | ショ糖 (g) | 総糖量 (g) |
オレンジジュース (100%濃縮還元) | 2.1 | 1.9 | 3.7 | |
リンゴジュース (100%濃縮還元) | 6.2 | 2.7 | 1.4 | 10.3fooddb.mext.go.jp |
ブドウジュース (100%濃縮還元) | 6.1 | 5.6 | 0(微量) | 11.7fooddb.mext.go.jp |
パイナップルジュース (100%濃縮還元) | 2.8 | 2.8 | 4.3 |
上記の糖質量の違いにより、各ジュースを飲んだ後の血糖値の上がりやすさには差があります。血糖値を直接上昇させるのは主にブドウ糖であり、ショ糖は体内でブドウ糖と果糖に分解されます。一方、果糖は肝臓で代謝されるため直接的には血糖値を急上昇させにくい糖です。
まとめ
✅ ブドウジュース → ブドウ糖が多く、血糖値が最も急激に上がりやすい
✅ リンゴジュース → 果糖が多く、血糖値の上昇が穏やかで持続しやすい
✅ オレンジジュース → バランス型
✅ パイナップルジュース → ショ糖の割合が比較的多く、血糖値上がりやすい
以上の比較から、血糖値を上げにくいジュースとして最もおすすめできるのはリンゴジュースです。ただし、糖類が多く含まれることに変わりはないため、飲む量にも注意すると良いと思われます。